キャットフードの原材料

キャットフードになぜ穀物が含まれているのか

猫ちゃんは肉食動物です。古代エジプト時代から、猫はネズミ退治専門家として人間の生活に寄り添ってきました。古代から肉を食べてきた猫ちゃんが食べるフード、原材料を確認すると、最初や2番目に「穀物」と記載されているのを見たことがある方もいるでしょう。基本的に原材料は含まれている量が多い順に記載されるので、この場合キャットフードにたくさんの穀物が入っているということになります。肉食動物の猫に、穀物は必要なのでしょうか?穀物が入ることで猫の健康や身体にどんな影響があるのか、メリット・デメリットから適切なフードの見分け方までまとめました。

原材料の穀物って何?

キャットフードの原材料に含まれている穀物は、トウモロコシ・小麦・大麦・米・玄米などです。これらは私たち人間も食べるものですし、猫ちゃんが食べても問題がないようにも思います。ただ、猫と人間では消化できるものが違いますので、注意が必要なのです。

なぜ穀物は注意が必要なの?

穀物が含まれていることを心配されている方も多いでしょう。世間では、穀物が入っているキャットフードは危険だという風潮があるのも事実です。
それは一般的に以下のような理由からです。

・穀物に含まれている食物繊維を過剰に摂取すると、猫は体の構造上、消化することができない。
・猫は肉食動物なので、歯が植物をすりつぶす構造になっておらず、消化不良を起こす。
・猫の食物アレルギーの大きな原因は、トウモロコシや小麦などの穀物である。
・猫はタンパク質を摂ることで満腹感を感じるので、穀物では満腹になるのに時間がかかり、食べ過ぎてしまう結果太ってしまう。

こう並べてみると、確かに問題視されるのも分かるような気がします。では穀物が入っているフードは全て危険なのでしょうか?

大事なのは適切に穀物を使用していること

穀物が起こす体への影響を前述しましたが、穀物が入っていたら無条件に避けるべきというわけではありません。穀物が入っていることで身体に与えるいい影響もあります。例えば、適切な量の食物繊維は人間に対するのと同じように、便秘改善、腸内環境正常化への効果が期待できます。また、穀物を適切に処理して精製される小麦グルテンは、れっきとしたタンパク質で、余分な脂肪分や食物繊維をきちんと取り除いていれば、豚肉よりも消化率の高い栄養的に優れた材料になる場合もあります。大切なのは、穀物が適切に処理されているかどうかということなのです。

穀物だけがアレルギーを起こす訳ではない

一番気になるのが猫の食物アレルギーだという方も多いでしょう。一般的に穀物が悪いとされる理由として、アレルギーの原因になると言われています。ですが、最新の研究によると、原因のアレルゲンとなるものは可能性が高い順に牛肉、魚、鶏肉などが並び、穀物で発症するのはかなり低い確率だということが分かっています。アレルギーの点からいうと、穀物だけに過剰に反応するのは間違っていると言えるでしょう。

穀物を適切に使用しているかをどう見分ける?

何かと悪者にされがちな穀物ですが、大事なのは適切な処理。
では穀物を使っていても安心できるフードはどのように見分ければいいでしょう?

極端に安価なフードに注意

ホームセンターなどで格安で販売される安価なフードは、大量の穀物を使用してカサ増しすることで低価格を実現している可能性があります。そういった穀物は2で前述した危険性が高いので注意しましょう。適切な処置とはある程度の手間とお金がかかるということを忘れないようにしましょう

穀物使用について説明をしているメーカーから選ぶ

穀物について心配している方が多いため、キャットフードメーカーによっては、HPなどで穀物使用について説明をしている場合があります。それを一度確認して、信頼できるか判断するのも一つの目安になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?キャットフードの穀物使用は心配なことばかりではありません。適切な処理と猫にとって必要な量が守られているかが大切です。あらゆる情報が飛び交っている現代ですが、飼い主の方一人一人が責任を持って情報を選び判断することが、大切な猫ちゃんの健康を守ってあげることにつながるのではないでしょうか?