キャットフードの原材料(コーングルテン)
キャットフードの原材料としてよく目にする「コーングルテン」。
ペットフードで広く利用されていますが、一体このコーングルテンとはどういったものなのでしょうか。
この記事ではコーングルテンの特徴やメリット、コーングルテンが使用されているキャットフードの注意点についてご紹介します。
コーングルテンとは
まずはコーングルテンについてです。コーングルテンはその名前から想像できるように、とうもろこしから作られます。
とうもろこしからコーンスターチを作る際にタンパク質とでんぷんを分離し、そのタンパク質の部分を集めて乾燥させたものがコーングルテンです。つまりコーンスターチ製造の副産物です。
とうもろこしの中に含まれるタンパク質の集合体ということもあり、コーングルテンのタンパク質の割合は約60%程度といわれています。
猫の食事は低炭水化物・高タンパクが基本です。コーングルテンは、キャットフードに含まれるタンパク質の割合を高くするため、広く利用されています。
コーングルテンのメリットはコスト面
コーングルテンの特徴として、タンパク質の割合が高いことを挙げました。タンパク質が多いキャットフードの原材料というと、肉や魚が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。コーングルテンが肉や魚とは別に広く利用されている理由として、コストパフォーマンスの高さが挙げられます。肉や魚はコストがかかりますが、コーングルテンは副産物として作られるために低コストで生産できます。
そのため、コストをそれほどかけずにタンパク質の割合を増やす役割として利用されやすい原材料です。
コーングルテンが含まれるキャットフードの注意点
高タンパク低コストのコーングルテンですが、メリットばかりではありません。コーングルテンを含むキャットフードの注意点についてご紹介します。
植物性タンパク質では栄養素が不足する恐れがある
タンパク質には動物性と植物性の2種類が存在します。そしてコーングルテンは植物性タンパク質に該当します。
動物性、植物性のタンパク質の主な違いは、カロリーまたは脂質の量と、猫にとっての必須アミノ酸の量です。動物性の方は高カロリー、高脂質で必須アミノ酸も多く、植物性はその逆です。
では、猫にとってより必要なタンパク質がどちらかというと、答えは動物性タンパク質といえます。なぜなら、猫にとって特に重要な必須アミノ酸が多く含まれているからです。肉食動物であり、本来は動物を食べていることからも、動物性タンパク質の方が猫にとって必要だということがわかります。
確かにコーングルテンはタンパク質を多く含みます。しかし、カロリーや脂質、必須アミノ酸は他の原材料から補う必要があるということに注意が必要です。
かさ増し目的で使用されている可能性がある
コーングルテンは低コストで作られるということを述べましたが、単純に安くするためだけに使用されている可能性も否定できません。
原材料は分量が多い順に記載されていますが、コーングルテンが上位に記載されている場合は注意が必要です。更に、例えば「チキン、とうもろこし、コーングルテン」のように、とうもろこしと並列で記載されている場合は特に注意しなければなりません。
なぜなら、チキンを1番最初に表示するために、表示上とうもろこしとコーングルテンに分けて記載している可能性があるからです。一見すると動物性タンパク質を多く含む良質なキャットフードのように見えます。しかし、こういった場合は安くかさを増すためだけに使用されていることが考えられます。
まとめ
キャットフードの原材料で使用されている「コーングルテン」について、その詳細とメリット、注意点についてご紹介しました。
コーングルテンは高タンパクで低コストです。但し、そのタンパク質が植物性であることと、植物性のタンパク質の特徴を認識することは非常に重要です。キャットフードにコーングルテンが含まれている場合には、他の原材料とのバランスを確認した上で購入を検討した方がよいでしょう。