キャットフードの原材料

キャットフードの原材料と消化の関係

愛猫の健康を考えてキャットフードを選びたいと思っている飼い主さんは多いでしょう。
猫の健康のバロメーターは、便です。便の状態が良いと愛猫の健康状態は良好といえます。
しかし、人間の赤ちゃんのように、「キレイなうんちがたくさん出たから健康!」といったふうにはいきません。
猫の場合、キレイな便でもたくさんの便は問題なのです。
そこで今回は猫の便の状態から、「キャットフードの原材料と消化の関係」を解説しましょう。

便に現れる!猫の消化具合

便の状態によってわかる猫の健康状態から解説しましょう。

軟便や下痢

猫は肉食動物なので、穀物等の繊維の多い食材の消化は苦手です。そのため、穀物 を多く含んだキャットフードを毎日食べていると、猫の消化器官に余計な負担がかかってしまいます。
その結果、消化吸収が上手くされないまま排泄されてしまう便が、軟便や下痢です。軟便や下痢は体力の消費も激しいので、続くようなら獣医師に相談しましょう。

便秘

腸内で上手く消化されずに残ってしまっている食物繊維は、腸内の水分を吸収してしまいます。
そのため、水分不足の便は硬くなって腸の通過が困難になり、その結果、便秘になってしまうのです。
食物繊維を摂っていなくても、水をあまり 飲まない猫の飼い主さんは、愛猫が腸内の水分不足で便秘になりやすいので、できるだけ水を飲みやすい環境を作ってあげましょう。

排便が多い

猫の大腸は短いので、猫の排便は本来あまり多くないのです。
すなはち、猫の排便が多いということは、消化されないまま排便された便が多いということです。
ですから、猫の排便が多いのは、人間の赤ちゃんのように、喜ばしいことではありませんので、注意しましょう。

キャットフードと消化の関係

下痢や便秘は、消化器官の様々な病気が原因で現れる症状です。しかし、猫の便の状態が良くないからといって、一概に病気というわけではありません。

キャットフードと相性が良くないというだけの場合も多いのです。
例えば、便秘や排便の量が増えたり、下痢や軟便になったりしたときは、キャットフードを消化の良いタンパク質主体のものに変えるだけで治ってしまうこともあります。
猫は肉食動物ですから、腸が短く食物繊維を上手く消化できません。 そして一般的には穀物は食物繊維を多く含みます。

食物繊維を多く含んだキャットフードばかり食べていると、消化器官に負担がかかり、内臓の健康を損なう恐れもあります。
そうして下痢や便秘などの体調の変化が起こりやすくなってしまうのです。

毛玉用キャットフードの注意点

最近では、グルーミング等で飲み込んだ毛玉を体外に出しやすいように、食物繊維を多めに含んだ毛玉対応のキャットフードも販売されています。
吐ききれずに体内に残ってしまった毛玉は、毛球症の原因になりますので、グルーミングの癖がある猫にはお勧めです。
しかし、「食物繊維は腸内の水分を吸収しやすく、猫は便秘になりやすい」ということを、飼い主さんは心に留めておきましょう。
毛玉対応のキャットフードを与える場合は、便秘防止のために、愛猫には、普段よりも多めに水を飲ませましょう。
健康的な猫の便の見分け方は、便の艶です。便秘の便は、水分不足でカサカサコロコロです。

また、毛玉対策のキャットフードをあげていて、猫の便の量が増えてしまうようなら、量や回数を減らして、愛猫にあったやり方を工夫してみましょう。
それでも便の調子が改善しないなら、一時中断が必要です。

猫の内臓も加齢によって、人間と同じように老化現象が起き、消化の良いものをあげないと内臓に負担がかかってしまいます。
そのため、年齢に応じた猫の消化能力に適した原材料のキャットフードを、飼い主さんが選んであげる必要があります。

まとめ

総合栄養食のキャットフードは、 ライフステージを十分に配慮して、それぞれの年齢に適した原材料や栄養素の配合がなされています。

猫の消化能力を考えて、一般的に「子猫(1才まで)」用、「成猫(6才まで)」用、「シニア6才以上」用等の3段階に分けられています。
メーカーによって工夫はさまざまで、もっと細かい表示もあります。

もちろん愛猫によって、個体差もありますし、マニュアル通りにはいきません。
ですから飼い主さんは、原材料表示はもちろんですが、これらのキャットフードの猫の年齢表示も参考にして、様子を見ながら、愛猫が喜んで食べる相性の良いキャットフードを選んであげましょう。